第2回:書体の選択  全10回 連載コラム #2

【文字の建築学 #02】

初心者が「ファウンデーショナル体」一択である理的理由

1. イタリック体の傾斜に潜むハードル

流麗で人気のあるイタリック体ですが、

実は約5度の傾斜をつけて書く必要があります。


ペン先の角度を一定に保ちながら、同時に文字全体を斜めに美しく傾ける操作は、

手元のコントロールが定まっていない初心者にとって大きな負担となり、

挫折の原因になりがちです。



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2. 垂直ストロークがもたらす安定感

これに対し、ファウンデイション体は縦のストロークが

「垂直」で構成されています。


文字を傾ける余計な神経を使わずに済むため、

初心者が最も注力すべき「ペン角度30度の保持」と

「真っ直ぐな運筆」だけに集中でき、

ブレのない均一な線を短期間で引けるようになります。



3. 初心者が最も挫折しにくいコンパクトなプロポーション

文字の胴体高(Xハイト)は使用するペン幅で決まりますが、

ファウンデーショナル体は「ペン幅4つ分」

と非常にコンパクトに設計されています。


イタリック体(Xハイト5つ分、伸びる文字では10〜15個分)

に比べてペンの可動域が狭いため手元が安定し、

初心者でも線をコントロールしやすいのが大きな特徴です。



4. すべてのカリグラフィーの普遍的な「土台」


「Foundation(基礎・土台)」という言葉の通り、

近代カリグラフィーの父エドワード・ジョンストンが初心者のために

伝統的な歴史的書体の骨格を整理し、論理的にリデザインしたエントリー書体です。


ファウンデーショナル体で「文字の構造(スケルトン)」を

身体に染み込ませておくことで、将来的にイタリック体やゴ

シック体など他の書体へ進む際もスムーズに上達できます。



第1回:手紙の価値    全10回 連載コラム  #1
第2回:書体の選択  全10回 連載コラム #2
第3回:歴史と設計図   全10回 連載コラム  #3
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