第3回:歴史と設計図   全10回 連載コラム  #3

【文字の建築学 #03】

近代カリグラフィーの父エドワード・ジョンストンが遺した秘密

1. ロンドン地下鉄フォントを手掛けた伝説のデザイナー

エドワード・ジョンストン(Edward Johnston)は、

100年以上経った今も世界中で愛されるロンドン地下鉄の

指定フォント(ジョンストン体)を手掛けた伝説的デザイナーです。


デザイン史に偉大な足跡を残した彼は、

同時に衰退していた西洋の手書き文字文化を再興させた

「近代カリグラフィーの父」としても知られています。



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2. 10世紀の伝統写本を現代へ再構築

20世紀初頭、ジョンストンは大英博物館などに保管されていた

10世紀の羊皮紙写本(カロリンジャン体/

ラムゼイ詩編など)を徹底的に研究・分析しました。


歴史の中に埋もれかけていた伝統的な筆記技術と美学を解き明かし、

現代の私たちが実践的に学びやすい形へと整理・再構成しました。




3. 初心者が学ぶために緻密に設計された「骨格」

「Foundation(基礎・土台)」の名が示す通り、

この書体は初心者がアルファベットの

「構造(スケルトン)」を論理的に理解できるように

設計されたエントリー書体です。


ペン幅を基準としたプロポーションや、

ペン角度30度の保持など、感覚だけに頼らない

再現性の高い筆記システムが組み込まれています。



4. なぞり書きを脱し、構造から文字を理解する


ジョンストンの教育メソッドの最大のポイントは、

お手本を単に「なぞり書き」する表面的な練習から脱却することです。


ペン先の角が通る軌跡や文字の中心となる骨格を頭で理解し、

身体で覚えることで、どんな単語や文章でもブレずに美しく

再現できる一生モノの技術が身につきます。




第1回:手紙の価値    全10回 連載コラム  #1
第2回:書体の選択  全10回 連載コラム #2
第3回:歴史と設計図   全10回 連載コラム  #3
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